2022/08/29

環境にやさしい印刷とは?環境配慮に取り組む会社の見分け方もご紹介

デザイン

環境にやさしい印刷方法が模索されています。理由としては、印刷物が完成するまでの工程それぞれに環境問題と深い関わりがあるからです。紙の原料となる木材の伐採、印刷物のインキに使われる石油などの化石資源、印刷機器の稼働により排出される有害物質を含んだ廃液、各工程で排出されるCO2問題などがあります。この記事では環境にやさしい印刷について、視点を変えながらご紹介していきます。自身が直接印刷に関わらなかったとしても、記事内では環境に配慮した取り組みをしている印刷会社を見分けるポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
 

 

①環境に優しいエコな印刷方法

環境にやさしい印刷方法は、印刷方式自体を刷新する方法から印刷する紙の素材を変更させるシンプルなものまで多様に存在します。
 

印刷方法:水なし印刷

水なし印刷とは、インクの転写に必要な水を使うことなく印刷する方法です。従来の印刷では、油と反発する性質のある水を使うことで、油性のインクを意図した箇所に転写をしていました。しかし、印刷に使用する水には複数の有害物質が含まれているため、印刷をするたびに大量の汚水を排出しなければなりません。水なし印刷をすることで、有害な廃液を排出するだけでなく、有害水の管理が不要になるため印刷についての生産性も向上します。
 

印刷方法:デジタル印刷

他にもデジタル印刷という方法もあります。デジタル印刷とは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色の組み合わせで印刷をおこない、従来の印刷のように版を必要としない方法です。版を使わないので廃棄による環境負担を減らせますし、版に使われる有害な溶剤を排出することもないため、エコな印刷方法と言えます。
 

インキ:ノンVOCインキ

続いては、インキを変更することでエコに貢献する印刷方法です。代表的なインキとして、ノンVOCインキがあります。VOCとは石油系溶剤の英語訳で、インクを溶かす働きをする素材です。石油系溶剤は環境破壊の原因になり得るものですので、大豆油や米ぬか油などの植物系の素材で代替することで、環境への影響をおさえることができます。
 

インキ:バイオマスインキ

環境にやさしいインキとしては、バイオマスインキという素材もあります。バイオマスとは、再生可能な生物由来の資源のことを指しています。石油などの化石資源を使用せず、植物油はもちろん、綿やパルプ、植物などの資源から生成されたインキがバイオマスインキです。バイオマスインキは廃棄をする際に他の資源と比べてCO2排出量が小さいため、将来の脱炭素に向けて注目されている素材でもあります。
 

紙:FSC認証紙

エコな印刷方法として、紙の素材を変更する方法もあります。環境に配慮した取り組みのもと製造された紙として認知度の高いものに、FSC認証紙があります。FSCとは持続可能な森林管理を実施するために、国際的な森林管理規制を定めている機関です。FSCの認証を受けた紙素材を利用することで、環境に配慮した取り組みを対外的に表明することができます。
 

紙:ライメックス

成分のまったく異なるライメックスという素材の紙があります。紙は木材と水で作られますが、ライメックスの主成分は石灰石となっています。石灰石は世界中どこでも採掘可能で、日本でも自給率100%の紙を作ることができます。紙の製造に必要な水や木をほとんど使わないため、環境への負担が大きく減ることになります。また、主成分が石灰石のため、水に強く劣化しづらい特徴のある素材です。
 

紙:バナナペーパー

環境問題だけでなく貧困問題にも貢献できる紙があります。バナナペーパーという紙で、名称のとおりバナナの繊維が原料となっているのですが、アフリカのザンビアで産出される素材となっています。植物由来の環境に配慮した素材で紙を製造することはもちろん、フェアトレードで取引をするためザンビアの女性の雇用を生み、教育や医療に貢献できるメリットもあります。
 

②目印となる環境ラベル

環境に配慮した取り組みをしている印刷会社を見分けるポイントとしては、印刷会社のHPや制作物にどのような環境ラベルが付与されているかを確認することです。分野別に各環境ラベルをご紹介します。
 

取り組み:エコアクション21

まずは企業の環境保護への取り組みに関する環境ラベルです。エコアクション21とは、環境省が主導する日本独自の環境管理の仕組みで、CO2排出量・廃棄物排出量・水使用量における環境負荷となる数値を定めています。エコアクション21の登録審査を通過すると、環境配慮への取り組みについて認証を受けることができ、エコアクション21のロゴマークを自社資料に使用できるようになります。環境省が認証した証でもありますので、社会的な信用があることを公的に示すことができます。
 

取り組み:水なし印刷

環境に優しいエコな印刷方法の一つに水なし印刷をご紹介しましたが、水なし印刷を採用している印刷会社では、日本水なし印刷協会へ登録をすることで、会社資料に日本水なし印刷協会の会員であることを示すバタフライロゴを使用できるようになります。水なし印刷は、環境省のグリーン購入法の中で推奨される印刷方法として設定されていますので、環境配慮をPRする意味合いも含まれています。
 

紙:FSC認証

続いて印刷紙についての環境ラベルです。紙の原料である木材について、森林管理から資材の流通管理を適切におこなっている証明としてFSC認証があります。FSC認証とは、森林の適切な管理を審査するFM認証とFM認証された森林から産出された木材を適切に加工・管理されているかを審査するCoC認証の二つから構成されています。FSCは国際的な機関であるため、国外にも環境保護への取り組みを示すことができるラベルです。
 

紙:バガスマーク

紙の原料にバガスが含まれている場合、バガスマークを使用することができます。バガスとはサトウキビの搾りかすを意味する言葉です。サトウキビの搾りかすを木材の代わりに紙の製造に使用することで森林保護に繋がりますし、サトウキビの搾りかす本来そのまま廃棄されるはずのものでしたので、バガス素材のものを使うことはリサイクルに積極的に取り組んでいることも意味しています。
 

インキ:植物油インキマーク

続いてインキについての環境ラベルをご紹介します。1つ目は植物油インキマークで、こちらは環境省の環境ラベルデータベースからも照会できる環境ラベルとなっています。印刷インキ工業連合会が制定した環境ラベルで、大豆などすべての植物に由来する油が基準値以上に含有されているインキをしている場合にマークの貼付が許可されています。現時点で印刷会社2,600社が植物油インキマークを使用している信頼性の高いマークでもあります。
 

インキ:バイオマスマーク

バイオマスマークは、日本有機資源協会が運用する環境ラベルで、印刷インキに10%以上の植物などの生物資源(バイオマス)が含有されていることを示すマークとなっています。インキに生物資源を含有させることで、CO2の排出をおさえ環境に配慮した活動への貢献に繋がります。バイオマスマークが規定する生物資源は植物のみで、石油資源や生き物、食品や医薬品は含まれておりません。
 

設備:環境保護印刷マーク(クリオネマーク)

最後は印刷設備についての環境ラベルです。環境保護印刷マークは環境保護印刷推進協議会が制定している環境ラベルで、印刷工程における各機材において、一定の基準を満たす方法で印刷されたものに対して環境保護印刷マークを貼付することができます。空気汚染を加速させないNon-VOC、廃液の排出をなくすNon-Drainを目指すために、各工程に登録基準が定められています。
 

設備:GPマーク

GPとはグリーンプリンティングの略で、印刷業界の自主基準を満たした工程で製造された印刷資材に対して貼付できるマークです。紙やインキなどの個別素材や一部の製造工程についての基準だけでなく、工場全体の製造体制についての基準を定めた環境ラベルとなっています。つまり、GP認証を受けた工場でGP認証を受けた機材や素材を使用し、GP認証を受けた工程で製造されたものだけに表示できるマークでもあるのです。
 

③環境に優しいエコ印刷のメリット

最後に環境に優しいエコ印刷を採用すべきメリットをご紹介します。
 

社会貢献活動

環境に優しいエコ印刷に取り組むメリットの一つ目は、社会貢献活動に参加できることです。企業のCSR(社会的責任)活動が活発化している現代において、環境配慮への取り組みというのは最も分かりやすい社会貢献活動のひとつです。自社で直接的な環境配慮活動ができていなくても、すでに環境に寄り添った経営をしている企業の商品を扱うことで、間接的にではあるものの、しっかりと環境配慮活動ができていると言えます。他社とパートナーシップを結ぶなど、できることから挑戦していくことが大切です。
 

若者への認知効果

社会貢献や環境配慮は、Z世代と呼ばれる若者による理解が進んでいる考え方でもあります。つまり、社会貢献や環境配慮活動をすることで、次世代の人々へのアピールとなる効果も期待されているのです。環境を配慮した活動というのは将来に向けて持続可能な経営を目指す動きでもあります。事業を将来に渡って継続することができ、その事業を担う世代への認知も広げられるのですから、環境に配慮した活動は一石二鳥の取り組みとも言えるでしょう。
 

④まとめ

環境にやさしい印刷について解説しました。印刷業界による環境への関わり方としては、印刷方法はもちろん素材やインキなど、各方面からのアプローチが考えられます。環境ラベルの有無は環境に配慮しているかどうかの見極めポイントの一つになりますので、印刷を依頼する際にはぜひ確認しておきましょう。

弊社は印刷会社として「水あり印刷」から「水なし印刷」へ SDGsの取り組みも行っています。環境にやさしい印刷・パッケージデザイン・制作なら株式会社エヌエーシーお任せください。

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