水なし印刷
環境を“変える”水なし印刷。水なし印刷に変えるだけで、こんなに変わることを知っていますか?
SDGsに貢献する会社を目指すなら、まず印刷物から始めよう。
水なし印刷の課題
- 環境に配慮した印刷でパッケージを作りたい
- パッケージの印刷品質を美しい仕上がりにしたい
- 環境対応印刷でもコストを削減したい
水なし印刷をご存知ですか?
水なし印刷は湿し水を使わない印刷方法です
水なし印刷とは、昨今の地球規模での環境に対する活動やCSR(企業の社会的責任)などにおいて、有害な廃液を排出しない「水なし平版方式」という技術を使い、印刷物を通じて地域社会の環境保全に貢献できます。
また通常のオフセット印刷が印刷機上にて多くの「湿し水」を使用するのに対して、水なし印刷は「湿し水」を一切使用しないその技術的な特長から高精度な印刷再現性に優れ、高精細な美しい仕上がりを可能にします。
日本水なし印刷協会|バタフライロゴ
水なし印刷を採用している印刷会社では、日本水なし印刷協会へ登録をすることで、会社資料に日本水なし印刷協会の会員であることを示すバタフライロゴを使用できるようになります。水なし印刷は、環境省のグリーン購入法の中で推奨される印刷方法として設定されていますので、環境配慮をPRする意味合いも含まれています。
いま、水なし印刷が注目される理由
1環境配慮のアピールが可能
水環境配慮の観点からの水なし印刷のメリットは、湿し水を使わないことや、現像工程の薬品処理・水洗いによって発生する廃液を大幅に削減できることだけではありません。温室効果ガスの削減効果はもちろんのこと、水質汚濁防止法などの遵守はもちろん、化学物質管理促進法、グリーン購入法、ISO14000シリーズの対策にも効果的です。
2美しい仕上がりの印刷品質が可能
水なし印刷は湿し水を使用しないため、にじみに起因した「ドットゲイン変調」による色の変化を解消でき、印刷物の色が安定します。 また、水なし印刷は凹凸のある用紙に強く、平滑な用紙と同じように印刷することが可能です。用紙の種類によっては水を含むことで用紙そのものが伸びることもありますが、水なし印刷なら見当ズレの原因となる紙伸びが発生する心配はありません。さらに水によるインキの乳化が少ないこともあり、高精細でくっきりとした美しい仕上がりの印刷が可能です。
3コスト削減や生産性の向上につながる印刷方法
水なし印刷は、環境対応印刷ということで従来の水なし印刷と比べてコストが高いと思われがちですが、NACではほぼ同等の価格でご提供が可能です。 NACではコストボリュームによるインキコストの調整や刷版のコスト調整、また多くの印刷に携わった経験による品質管理の向上により準備時間の短縮や、スピーディな立ち上がりを実現し生産性の向上に努めることで損紙(試し刷りの用紙)も少なくできるため、パッケージの印刷コストの削減につながります。
水なし印刷に変えるだけで
これだけのSDGsの項目の可能性があります!
水なし印刷のメリット
水なし印刷の主なメリットは以下の4つです。
1環境によい印刷
水なし印刷の最大のメリットは環境によいことです。水あり印刷で使用する湿し水には、水質汚濁防止法で定められている基準を大きく上回る「IPA」というアルコールが含まれています。IPAは土壌汚染や水質汚濁の原因となるため、水あり印刷は環境によくないといわれています。
また、水あり印刷で現像時に使用する現像液も強いアルカリ性の液体であるため、素手で触るとケガをする可能性があり非常に危険です。水あり印刷に使用する現像液は下水に流すことができないため、産業廃棄物として回収してもらう必要があります。一方、水なし印刷は現像するときに水道水を使用するため、使用後は下水に流せます。
企業の取り組みとして水なし印刷を取り入れると、有害物質を放出していないことの証明になるほか、環境問題に配慮していることをアピールできます。
2印刷の仕上がりが「水あり印刷」よりきれい
水なし印刷は、一般的な印刷方法である水あり印刷よりもきれいに仕上がる印刷方法です。にじみからの変色やインクの乳化がないため、水なし印刷のほうが印刷のクオリティーが高く、印刷が美しく仕上がりやすい特徴があります。また水なし印刷は、凹凸がある紙のパッケージ印刷でも平らな紙のパッケージ印刷と変わらないくらいきれいに印刷ができます。
3紙伸びが起こらない
水を使用して印刷をすると、紙自体が伸びる「紙伸び」が起こります。水なし印刷では、水を使用しないため、紙伸びが発生しないパッケージ印刷が可能です。
4印刷コストの削減になる
多くの印刷会社で水なし印刷の価格は水あり印刷の同じくらいの価格で提供されています。
また水あり印刷の湿し水は印刷が不安定になる原因となり得ます。水あり印刷を美しく仕上げるには、湿し水を正確に扱う必要があり、経験を要します。水なし印刷は湿し水が必要ないため、インクの管理が簡単です。印刷時の品質管理が容易になり時間を要さないため、コスト削減だけでなく、生産性アップにもつながります。
水なし印刷のデメリット
水なし印刷の主なデメリットは以下の3つです。
1紙を引っ張られるピッキングが起こる
水なし印刷で使用するインクは、水あり印刷のものよりも、少し硬いために紙が引っ張られてピッキングという現象が起こりやすくなります。パッケージ印刷する紙が丈夫なものでなければ、引っ張られて印刷不良を起こす可能性があります。
2印刷が均一にならないゴーストが発生する
凹凸のある紙で均一に色を塗りたいとき、印刷する絵によってはインクが足りない状況になり、印刷面が狭い線は濃く、広い線は薄くなることがあります。これはゴースト現象と呼ばれています。水なし印刷ではこのゴーストが起こりやすいという特徴があります。
水あり印刷の場合はゴースト対策ができますが、水なし印刷ではインクの量を調節するくらいしか印刷時の対策方法がありません。水あり印刷に比べると対策手段が少ないため、凹凸のある紙への印刷は苦手としています。
3静電気が起こりやすくなる
水なし印刷では、水を使用していないがゆえ、印刷時にシリコンがこすれると静電気が起こりやすくなります。静電気が起こると紙揃えが悪くなり、インクが乾かないことにより、上に重なる紙へつく裏付きの可能性があります。印刷前に色や絵柄を調整することで、静電気を抑えた印刷をおこなうことができます。
水なし印刷は環境に配慮した印刷
水なし印刷のメリットとデメリットについてご紹介しました。水なし印刷は、環境に配慮した印刷方法のひとつです。環境問題ヘの注目が年々上がっているなか、環境に配慮した方法を選ぶのは企業の方針として必須事項になりつつあります。水なし印刷にはデメリットもありますが、環境によいという大きなメリットがあるため、まだ導入していない企業はぜひこの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。
弊社は、SDGsにも積極的に取り組んでいるパッケージデザイン・制作会社です。今回ご紹介した水なし印刷も取り入れております。環境に配慮したパッケージデザイン・制作をお考えなら、ぜひ株式会社エヌエーシーへぜひお任せください。
※1. 人間1人あたりが排出するCO2排出量は1年間で350kg、1日で約0.958kg。
通常のオフセット印刷と水なし印刷との差異(kg)÷約0.958kg=人間1人あたりのCO2排出削減人数とする。
水なし印刷導入事例
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カーボン・オフセットとは、私たち自身が経済活動や生活から排出されたCO2量を認識しさらに削減努力を行い、それでも削減が困難な排出量は他の場所で実現したCO2排出削減量(クレジット)を購入することにより、自身の排出量の全部または一部をオフセット(相殺)する活動となります。 この取り組みは、環境省・農林水産省・経済産業省など国が認証する制度となります。
カーボンオフセット導入例